1980年代は、音楽がただの娯楽ではなく「生き方や信念」を表現する時代でした。
洋楽の歌詞には、シンプルだけど心に響く英語フレーズがたくさん登場します。
今回は、80年代を代表する3つのバンド ― Queen、U2、The Police ― の印象的なフレーズを通して、英語と音楽の魅力を味わってみましょう。
Queen – “I Want to Break Free”
「自由になりたい」— それは時代を超えて共感されるテーマ。
1984年にリリースされたこの曲は、抑圧からの解放を歌っています。
“I want to break free.”
(自由になりたい)
- break free = 束縛から解き放たれる
- フレディ・マーキュリーの感情がシンプルな英語でストレートに伝わるフレーズ。
- 日常でも「I want to break free from stress.(ストレスから解放されたい)」のように使えます。
🪩 当時、ミュージックビデオでの女性の格好(掃除機をかけるフレディ!)が話題となり、社会的な“固定観念からの自由”を象徴する一曲に。
U2 – “I Still Haven’t Found What I’m Looking For”
「まだ探している」— 迷いながら生きる強さを歌う曲。
1987年のアルバム『The Joshua Tree』収録。ボーカルのボノが信仰と人生の意味を探す歌です。
“I still haven’t found what I’m looking for.”
(探しているものは、まだ見つかっていない)
- **I still haven’t found ~** = まだ見つけていない
- 「見つからなくても、探し続ける」という希望のニュアンスを持つ表現。
🌍 この曲は宗教的なメッセージだけでなく、80年代の混沌とした世界情勢の中で“自分を信じる力”を象徴しています。
The Police – “Every Breath You Take”
「すべての瞬間を見つめている」— 甘いラブソングのようで、実は少し怖い?
1983年リリース。スティングが書いたこの曲は、表面上は恋愛ソングですが、実際は“執着”をテーマにしています。
“Every breath you take, every move you make.”
(君のすべての息づかい、動きを見ている)
- every ~ you … の反復で「すべてを見ている」という強い印象を演出。
- 実は「監視される愛」を描いた曲としても有名です。
🕶 1980年代の冷たいシンセサウンドと共に、愛と孤独の裏側を描いた名曲。
まとめ
1980年代のバンドたちは、
- Queen:自分らしさを解き放つ勇気
- U2:信念を持ち続ける強さ
- The Police:愛の光と影
それぞれが異なる角度から「人間の感情」を英語で表現していました。
今聴いても古びないのは、彼らの言葉がシンプルで、誰の心にも響くから。
英語を学ぶなら、まずはこうした短いフレーズから感じ取ってみてください。
U2 小ネタ・裏話集(特に “I Still Haven’t Found What I’m Looking For” 時代)
1. ゴスペルに影響を受けたロックソング
この曲は、実は アメリカのゴスペル音楽 に強く影響を受けています。
ボノは「ロックバンドがゴスペルの魂を持ってもいい」と語っていて、
バックコーラスの「ハレルヤ〜♪」のような雰囲気はその名残。
🕊 つまり、単なる“愛の歌”ではなく「信仰・希望・人間の探求」を歌った曲なんです。
🌵 2. “The Joshua Tree” アルバムの象徴
アルバム『The Joshua Tree』(1987)は、アメリカの理想と現実をテーマに作られました。
- 「Joshua Tree=荒野に立つ希望の象徴」
- 撮影場所も実際にカリフォルニアの砂漠地帯
- ジャケットのモノクロ写真は「信念を貫く孤独」を象徴
🎧 だからこの曲も、“何かを探し続ける旅の途中”を象徴しているんです。
3. ボノの「神との距離」
U2はキリスト教の影響が強いバンド。
ボノは「I Still Haven’t Found…」を、“神を信じながらも迷う人間の歌” と説明しています。
つまり「信じること=すべてが分かることではない」という深いメッセージ。
🏆 4. グラミー賞+ローリング・ストーン誌の名盤入り
この曲は収録された『The Joshua Tree』が、
- グラミー賞「最優秀アルバム賞」を受賞(1988)
- ローリング・ストーン誌「史上最高のアルバム500」第26位にランクイン という名実ともにU2の代表作。
4. グラミー賞+ローリング・ストーン誌の名盤入り
この曲は収録された『The Joshua Tree』が、
- グラミー賞「最優秀アルバム賞」を受賞(1988)
- ローリング・ストーン誌「史上最高のアルバム500」第26位にランクイン という名実ともにU2の代表作。
✈️ 5. “旅”と“信念”のバンドイメージ確立
U2はツアーを“旅”と呼び、世界各地で政治や人権のメッセージを伝えてきました。
「探しているもの」は、実は“平和”や“真実”でもあり、
この曲が彼らの理想主義的ロックの原点になったとも言われています。


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